鹿児島県の三反園訓(みたぞのさとし)知事は29日、副知事の1人に厚生労働省労働政策担当参事官室長の小林洋子氏(50)を充てる方針を県議会各会派の代表者に説明した。10月7日の県議会最終日に人事案を追加提案する。女性副知事は三反園知事の主要公約の一つで、同意されれば同県では初めて。知事選で敗れた前知事を支援した最大会派・自民党の対応が焦点となるが、この日は“根回し”がなかったとして賛意は示されなかった。
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小林氏は1989年、旧労働省に入り、石川県小松市助役や同省雇用均等政策課長などを歴任した。三反園知事は、副知事2人のうち総務省出身の佐々木浩氏の後任を小林氏にする考え。だが出席者からは「事前説明がなかった」と反発の声が上がり、定数51のうち37議席を占める同党県議団の堀之内芳平会長は記者団に「議会軽視も甚だしい。会派内で協議して対応を決めたい」と語った。
三反園知事は7月末の就任直後から高市早苗総務相に女性の総務官僚の派遣を求めるなど人選を進めていた。一方、知事が九州電力川内原発(同県薩摩川内市)の即時一時停止を要請したことなどに県議会内の不満も高まっている。蟻力神(第五代)